【コンテンツ執筆】
中島 翔先生
証券アナリスト、ファイナンシャル・プランナー
あおぞら銀行にてMBS（Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務を担当後、三菱UFJモルガンスタンレー証券にて外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。現在は各種金融情報記事の連載やアドバイザー、金融セミナー講師など、精通する金融業界の幅広い専門知識を活かして多方面で活躍中。
投資で最初に思い浮かべるのは「株式」でしょう。
しかし株式と一括りに言っても市場によって全く特徴が異なります。
株式取引をを行う上で理解しておくべき市場別の特徴をここで解説したいと思います。
東証一部は上場基準が最も厳しく、日本を代表する企業が連なっている市場となります。銘柄数は2,000以上が上場されています。
ここに上場することがある意味企業の大きな目標であり、ここに上場したことによって大きく企業の認知度が向上します。
ここで取引されている企業群は売買高も他の市場と比較して最も多く、売買高が多く参加者も多いことから値動きは他の市場と比較しても大きくないという点が特徴です。
東証二部は一部までは大きくないものの、新興企業でもない企業が集まっているのが特徴です。銘柄数は500以上と東証一部と比較しても4分の1程度となっています。
売買高も一部と比較すると大きく劣後しますが、新興市場と比較すると多いため、新興市場と東証一部の間の市場と考えておきましょう。値動きの大きさも同じようになります。
最後は新興市場です。新興市場には「ジャスダック」と「マザーズ」の二つに分かれています。
ジャスダック市場はスタンダード市場とグロース市場に分かれており、スタンダードは企業としてのトラックレコードが求められます。
マザーズ市場は将来的に東証一部を目指すための登竜門と言える市場です。
ここに上場する企業群には赤字の企業もあり、将来性が期待される企業が上場しています。
新興市場の特徴は「値動きが大きく流動性も薄いこと」です。
流動性は投資家としてかなり重要なポイントですが、この流動性が薄いからこそ数日で何倍にもなるような銘柄が誕生したり、逆に数日で何分の1のような急落を見せたりもします。
株式取引の場合は全て需給で成り立っているため売り買いが成立しないと当然売買はできない市場です。
値動きが大きいということは資産が急に膨れ上がることもありますがリスクコントロールがそれだけ難しいということと同義と考えておきましょう。
下記はTOPIX（青）と東証マザーズ（赤）のチャートです。
値幅がマザーズの方が大きいことかが視覚的に理解できるでしょう。
市場別に特徴の概要を解説しました。
このように株式取引と言っても種類は千差万別であり、市場内における業種や銘柄によっても全く値動きは異なります。
そのため株式投資を行う場合はどの程度資産を殖やしたいのか自分なりの目標リターンを設定して、そこから考えて企業を剪定しながら投資先を考えるといった視点が必要とも言えるでしょう。
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